トスカーナの伝統 ヴァケッタレザー
~ ”育てる楽しみ”エルバマットの革小物 〜
僕がこの仕事についた30年ほど前、革は傷ついちゃダメ、変色はダメの顔料化粧バッチリの国産コンビ鞣し革の全盛期。
ホヤホヤの企業デザイナー時代。
出張でイタリアに行くと顔料仕上げとは対極のタンニン鞣し染料仕上げの革らしい革が、たくさん売っているではありませんか!
しっとりした触りごごち、ナチュラルな仕上げで汗や水を吸い込み、すぐに日焼けしそうな革。
その当時の日本では、こういう革はまだ完成一歩手前の下地(したじ)革と呼ばれていました。
天然素材だから個人的にはナチュラルなこっちの革が好き。
でもまだ日本の市場や消費者には革らしい革の認知度が低く、あまり多く出回ってなかった気がします。
『いつか自分のブランドをやれたらそんな素上げの革らしい革をたくさん使いたい』との思いが湧いていた、そんな記憶があります。
素上げの革らしい革って?
ナチュラルな表面なので傷付きやすいし、汗も水も吸うし、且つ汚れやすくて日に焼けやすい革。
デリケートで最初は汚れるのに気を使うけど、いつのまにか使う程にツヤが出て日に焼けて味わいが増してくる。
ずっとキレイなモノも良いけど、僕自身は経年変化で味が出るモノにも惹かれます。
洗いこむ程に味わいが増すデニムや帆布の綿素材に近いかも知れません。

メイン素材には『イタリア/トスカーナ州にあるテンペスティ社のヴァケッタレザー』
ヴァケッタレザーは、1200年程前の9世紀初頭からイタリア/トスカーナ地方に伝わる伝統的な皮革製造法で作り続けられてきた革です。
ショルダーレザーの原皮をチェストナット(栗)やミモザから抽出されるベジタブルタンニンでゆっくりと時間をかけて鞣し、獣油を加えてナチュラルスムースに仕上げられます。
そうして鞣された革は、使い込む程に味わいが出て来て『革を育てていく』楽しみが有ります。
この伝統的製法で作っているタンナーはトスカーナ地方に数社ありますが、このシリーズはTEMPESTI(テンペスティ)社のヴァケッタレザーを使っています。
トスカーナには地場産業として革を作り続けて来た長い長い歴史があり、その時間だけ生活に溶け込んだ素材であり革らしい革に対するイタリア人の愛情や認知度も高いのでしょう。
素材の背景や歴史、その土地での使われ方。
僕がそうだったようにそういう視点でモノをみてその素材に関心を示す。
そうやって少しでもこの素晴らしい素材に愛情を持って頂ければと思っています。
TEMPESTI
https://www.eng.tempesti.com/index.php?c=3





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